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このデザインはマーベリック・クマの物語なのです。久下猫一家に加わって、たった２年でこの世を去ったマーベリック・クマ。クマを失った久下氏は、はかなかった命をただ惜しむだけではなく、もっと生かしてやれなかったのかと自分を責める気持ちも強く、それを長く引きずることになりました。そんな久下氏ですが、クマが他界して１０年ほど経ってから、天使猫マーベリック・クマの絵本を描くことになりました。天使猫クマが神様からニューヨークに住む絵描きを導いて猫を上手に描けるようにするという使命を与えられて久下氏のもとに降り立ったのです。クマは２年でその使命を全うし、神様のもとへ帰るという物語ですが、これを描き、語ることで、久下氏の後悔の念は多少なりとも軽減されたのです。このデザインに用いられているほとんどの作品は絵本のために描かれたものですから、表現手法やタッチの統一感に加えて、おそらくは目には見えない久下氏の気持ちが漂って、全体調和性の高いデザインになったように思います。