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久下氏が移住した当初に住んだ界隈を描いた作品です。この作品の元絵が描かれたのは前フェデリコ紀です。この絵を再生するにあたり、久下氏は街の要素をアップデートし、おだやかな丸顔だった猫たちの顔をとてつもなく可笑しなものにしてしまいました。よくもこんなに可笑しな顔を描けると、驚嘆のひと言です。これは人が憑依した猫たちかもしれません。猫が人に憑依するのが普通だろうとおっしゃいますか？日本の化け猫話のように。いえいえ、猫が主体の久下式猫本位制にあっては、人が猫に憑依します。

この作品の元絵は、2匹の猫が上下逆さまに組み合って踊るという、素晴らしい発想のものでした。再生された画面に目を凝らして見れば、元の猫たち、中央左手のタキシードと変な顔で身体に升目模様のある逆立ち猫は生かされています。しかし、思うまま、どんどん追加された猫たちは、まともなのと変すぎるのが入り混じり、結構なめちゃくちゃぶりで、すごいです。絵を上から下までじっくり検分して、小さな猫が可愛いとか、信じられない模様の猫がいるとか・・・そんなことを楽しんでいただければ何よりという作品かと思います。